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コレステロールが「高い」「低い」どちらが長生き?【栄養データはこう読む!】

佐々木敏の栄養データはこう読む!
第1章:「コレステロールと寿命の関係」より


あるアメリカ人高齢者(65歳以上)を対象に血中コレステロール値と死亡率の関係を(単純に)調べた調査によると、血中コレステロール値(mg/dl)が、
160以下の場合:1.63
161~199の場合:1.00
200~239の場合:1.03
240以上の場合:0.96
となっている。
これだけ見ると、「血中コレステロール値が低い方が死亡率が高い」と読み取れるが、
この調査には様々な「交絡因子」(正しい解釈を妨げる要因)が存在している。

・この調査において、血中コレステロールが最も高かった人たちの7割以上が80歳以下で、8割が女性であった。
 歳を取るほど死亡率は上昇し、同じ年齢なら女性の方が男性より死亡確率は低いといえる。

・血中HDLコレステロールが低いと心筋梗塞にかかりやすいことが別研究からある程度明らかになっている。
 血中コレステロール値が上がればHDLコレステロール値もある程度上がる。逆も然り。

・血清中の鉄濃度やアルブミン濃度が異常に低い場合は肝臓の栄養状態が良くないことを示す。
 体内のコレステロールは主に肝臓で作られ、肝臓が悪いと血中コレステロール値は下がってくる。また、肝臓に重い病気を患っている人の寿命は健康な人より短い。

これらを交絡因子を加味し、
・年齢と性別分布が4グループ間で同じと仮定
・HDLコレステロール/血清鉄/血清アルブミンが異常値(低値)を示す人たちの分布が4グループ間で同じと仮定
・研究開始後1年以内に死亡した人を除外
して再解析を行うと、

160以下の場合 :0.83
161~199の場合 :1.00
200~239の場合 :1.45
240以上の場合 :1.57
という結果が得られる。

単純に「血中コレステロールと寿命との関連」を知りたい場合と、「血中コレステロールの高低が起因する病気等による寿命への影響」を知りたい場合では、見るべきデータが異なってくる。

今回の例では、両者の間には「比較的若い人や女性は血中コレステロール値が高め」「肝臓が悪い→血中コレステロール値が低くて死亡率も高い」などの交絡因子が多く潜んでいた。

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