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日本人のカリウム摂取の特徴【栄養データはこう読む!】

佐々木敏の栄養データはこう読む!
第2章:「5 日本人のカリウム摂取の特徴」より


食塩やアルコールが血圧を上げる厄介者であるのに対し、カリウムは血圧を下げる(または上げない方向に働く)有難い栄養素である。

栄養について少し詳しい人であれば、「カリウムは野菜とくだものに豊富」と覚えているかもしれないが、
実は植物性・動物性の別を問わず、どの食品にも満遍なく含まれている稀な栄養素である。

動物も植物も細胞で出来ているが、細胞の中は細胞内液という液体で満たされていて、細胞内液のミネラル(正確にはその中の陽イオン)の主成分がカリウムである。
したがって何かの方法でカリウムを除かない限りは、何を食べてもカリウムは摂取出来る。

野菜・果物・肉類・魚介類の食品100g当たりカリウム含有量を比較すると、野菜と魚介類、一部の肉類で多い。
果物は全体的にに少な目で、野菜の中にも少な目のものがかなりある。
ところがkcal当たりに換算すると、100kcal当たり500mgを超えるのはほぼ野菜だけに限られる。
つまり、カロリーを摂り過ぎずにカリウムを摂るには野菜がお勧めということになる。

果たして、日本人は他国の人々と比べて十分にカリウムを摂取出来ているのだろうか?
野菜と果物の摂取量を比較したデータ(g/日)によると、
イタリア435、日本413、フィンランド408、イスラエル379、ブルガリア351、…
と続き、日本はイタリアに次いで世界で2番目に多く摂取している。3番目のフィンランドを加えて、この3か国だけが1人1日あたり400gを超えている。
これだけ見れば、日本人は世界の中でもカリウムをたくさん摂っていそうである。

ところが、世界52の地域で各地約200人ずつを対象に24時間蓄尿を行った研究によると、
イタリアに代表される地中海の国々でカリウム排泄量が多い一方で、日本の順位は低くなっている。
すなわち、日本人は食べている野菜・果物の量に比べて、実際に摂取していたカリウムの量が少ないといえる。
なお、中国・韓国・台湾といった東アジア諸国も同様に低カリウム地域となっている。

野菜を水に浸けると、カリウムは水溶性なので水に溶け出す。茹でれば柔らかくなるため更に溶け出しやすくなる。
例えばその典型例がグリーンピースで、生と比べてカリウム含有量は10%ほどである。

その上、野菜は丁寧に皮を剥き、さいの目や薄切りにして茹でる習慣が日本にはある。
その結果、表面積が増えて更に溶け出しやすくなる。
そしてゆで汁を捨てることが多いという特徴があり、これが最も影響が大きい。
几帳面さ、美しさ、味の繊細さが特徴の日本料理であるが、カリウム摂取という観点ではもう少し大雑把な方が良いようである。

また、主食からのカリウム摂取が少ない可能性も考えられる。
穀物にもカリウムが含まれているが、例えばお米だと、糠を取ってしまうとカリウムの含有量は半減し、さらに胚芽も取り除いて精白米にすると7割減で、元の3割しか残らない。
穀物のカリウム含有量はもともとそれほど高くないとはいえ、毎日食べる主食であるため、全体への影響はかなり大きいものと思われる。

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