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[野菜]「1日に350g」の根拠はどこにあるのか?【データ栄養学のすすめ】

佐々木敏のデータ栄養学のすすめ
第1章:野菜「「1日に350g」の根拠はどこにあるのか?」より


「健康日本21(栄養・食生活)」には「カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンには野菜摂取の寄与が高く、これらの栄養素の適量摂取には野菜350g~400gの摂取が必要と推定される」と記載されている。
しかし、野菜のみでなく他の食品群を組み合わせても達成出来るはずで、野菜だけ増やすという条件設定は少し不可思議である。

欧米諸国ではフルーツ&ベジタブルといって、野菜と果物を一緒にしている。
欧米諸国で行われた研究では、野菜と果物の摂取量が増えるほど総死亡率は低下し、1日あたり5サービング(385~400g)くらいで下げ止まっている。
このような研究結果を受けて、欧米諸国では「5 servings a day」というメッセージが良く使われる。
2016年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の日本人の野菜(きのこ・海藻は除く)と果物の1日あたり摂取量はそれぞれ277gと102gで、合計すると379gだった。
平均値としては、日本人はすでに「いい線」をいっている。

野菜と寿命の関連では、日本の研究では野菜摂取量と総死亡率との間に有意な関連は認められていない。
野菜摂取で総死亡率が低下するのは、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患による死亡率の低下によるもので、
がんの死亡率を下げるわけではなさそうという結果が複数の研究から得られている。

西欧諸国と日本の野菜・果物の平均摂取量を比べると、最も野菜を食べているのは日本人で、果物の摂取量が最も少ないのも日本人であった。
単純に考えると、摂取量の少ない方を優先して増やすべきと言える(すなわち日本人→果物、西ヨーロッパの人々→野菜)。
しかし日本人にとっては歴史的・文化的にも果物より野菜の方が親和性が高く、それより現実として野菜の方が安価である。
さらに日本では、野菜は三度の食事で、果物は間食で摂る習慣がある。
世界のコンセンサスは野菜と果物の合計量であるが、日本特有の背景を踏まえて、野菜から手を付ける方が現実的と判断されたのではないかと考えられる。

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