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医者が教える食事術 最強の教科書

医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社; 1版 (2017/9/21)

【序章】

P7
病気や不調の9割以上は血糖値の問題。

P35~
健康な人の血糖値は、空腹時で80~90mg/dl前後。そこでご飯やパンを含む食事をとると、1時間後に120くらいまでに上昇し、やがてゆっくりと下降していく。
一方、液体の糖質は血糖値を急上昇させる、液体の缶コーヒー1本を飲むと健康な人でも30分後には140くらいまで急上昇(=血糖値スパイク)し、その後急激に下降する。

P36~
血糖値が急上昇すると、セロトニンやドーパミンといった脳内物質が分泌されハイになる。
→膵臓から大量のインスリンが分泌される。
→血糖値が大きく下がるとハイから一転、イライラ、吐き気、眠気に襲われる。
→また糖質が欲しくなる。(=糖質中毒)

P37~
清涼飲料水などのメーカーは、ハイになる点(至福点)を計算し尽くし商品を設計している。

血糖値変動とインスリン分泌は本来「パラレル」(同時に上がって下がる)が、絶えず糖質を摂り続けているとインスリンの分泌が遅れがちになる。→「反応性低血糖」

P65~
「日本の長寿村短命村」1972年・近藤正二医学博士(東北大学名誉教授)
1935年から36年間に渡り日本中を歩き、長寿or短命の人が多い村の生活様式を調査した。
<研究結果要約>
①健康・長寿の決め手は食生活
②酒飲みは短命ではない
③重労働をしている人の方が長寿
④ごはんの食べ過ぎは短命
⑤魚ばかりで野菜が少ない村は短命
⑥大豆製品を多く食べている村は長寿
⑦大量の野菜を食べている村は長寿
⑧果物を多くとる村は短命
⑨海藻を多くとっている村は長寿
⑩肉の食べ過ぎは短命
⑪塩分をとりすぎている村は短命
⑫ゆっくり楽しんで食べることが大事

山奥でも海岸沿いでも共通していたのは、
・野菜を多くとっていれば長命であること
・ごはんをたくさんたべていると短命であること
・肉や魚などの動物性たんばく質はほどほどにして、大豆の植物性たんばく質は積極的にとったほうがいいこと

【第1章】

P78
脂肪は食べ過ぎれば便となって排出されるため、案外体の中に残らない。
一方で糖質は100%吸収される。

P79
コレステロールの大半は肝臓で作られており、食事によるものは1割程度。
HDL(善玉)とLDL(悪玉)という区別だけではなく、酸化LDLやAGE化LDLが大きな問題。

P81
同じ量なら、まとめて食べるよりちょこちょこ食べる方が太らない。

P82
果物は太りやすい。
人間の体はエネルギー源として ブドウ糖を優先的に使う。果糖はエネルギー源としてではなく、すぐに脂肪に代わり貯蔵される。

P84
加工肉には発がん性があることがWHO(世界保健機関)の発表で明らかになっている。

P86~
体に良い食べ物10
①オリーブオイル
パンやパスタにオリーブオイルを加えることで血糖値の上昇が抑えられるが、
品質にはこだわる必要がある。エキストラバージンオリーブオイルのみOKとすべき。
②ナッツ
③ワイン
赤ワイン:強い抗酸化作用。
白ワイン:ミネラル成分の影響でやせる効果あり。
いずれの場合も血糖値を下げる。
④チョコレート
カカオ70%以上のもの。
⑤大豆
完璧な食べ物。
⑥チーズ
⑦ブルーベリー
アントシアニンが豊富に含まれ、AGEを減らしてくれる。
⑧コーヒー
挽きたての本格コーヒーをブラックで飲む。
⑨酢
血糖値を下げる。血圧を下げる。食品中のAGEを下げる。
⑩生もの
魚や野菜など、寄生虫の心配が無いものはなるべく生で食べるべき。

【第2章】

P98~肥満のメカニズム
糖質を過剰摂取して ブドウ糖が余ると、中性脂肪が蓄積される。
中性脂肪はトリグリセリドと呼ばれ、「使いきれなかったエネルギー」と考えればよい。

糖質をたくさん摂ると膵臓からインスリンが放出される。
インスリンが余った ブドウ糖をグリコーゲンに変えて、肝臓や筋肉の細胞に取り込む。
しかしグリコーゲンとして細胞内に取り込める量には限界があり、さらに余った ブドウ糖は、中性脂肪に形を変えて脂肪細胞に取り込まれる。

食事がとれずに血中のブドウ糖が不足すると、まずは肝臓や筋肉の細胞に取り込まれていたグリコーゲンが ブドウ糖に戻されエネルギーとなる。
それが無くなると脂肪細胞に取り込まれた脂肪がエネルギーとして使われ、一部は ブドウ糖に戻される。
すなわち、脂肪細胞にある中性脂肪がエネルギーに変わるのは後回しになる。

P104<体重70kgの健常男性のエネルギー貯蔵量>
脂肪はエネルギー効率が良いため、徹底して溜め込まれる傾向にある。

エネルギーの保存形態保存されている箇所エネルギー量
グリコーゲン肝臓/70g280kcal
グリコーゲン筋肉/120g480kcal
グルコース体液/20g80kcal
脂質脂肪/15,000g135,000kcal
たんばく質筋肉/6,000g24,000kcal

P106
「食事制限でやせると筋肉が落ちる」というのは嘘。
食事で糖質を制限すれば、まずグリコーゲンが使われ、次にようやく脂肪が燃える。
その脂肪(体内の脂肪細胞に溜め込まれた中性脂肪)が全部使われてしまったときに初めて、筋肉のたんばく質からエネルギーを得るようになる(=筋肉が落ちる。)
そんなことは、山で遭難した時に何も食べずにいたような時にしか起こらない。
少なくとも、ぼっこりお腹の中年男性が、筋肉からエネルギーを得なければならないほど糖質制限を貫いてしまうとは考えにくい。
「筋肉を増やすことで基礎代謝を高めればダイエットにつながる」という理論は間違っていない。
しかしそこまで基礎代謝を高めるためには相当なトレーニングが必要となる。
また、十分なトレーニング時間が確保できなければ、筋肉が落ちて元の木阿弥になる。

P109
女性に比べて男性の方が寿命による影響を強く受ける。

P110~111
夕食の糖質を出来るだけカットする。
朝食や昼食であればその後の活動で ブドウ糖を消費しやすいが、夕食後は寝るだけなのでもろに溜め込んでしまう。
1日の糖質摂取量を60g以下に抑えるのが理想。
体重維持のためには、男性120g以下、女性110g以下に抑えた方がよい。

P117~
一口に「糖質」といっても、その悪性度は違う。
悪性度ナンバー1:缶コーヒーや清涼飲料水、ジュースなど
悪性度ナンバー2: 砂糖の入ったお菓子
悪性度ナンバー3:果物
ビタミンやミネラルが豊富な分ましだが、最近の果物は品種改良され糖度が増しているため注意が必要。
悪性度ナンバー4:白米、白いパン、うどんなど
悪性度ナンバー5:玄米、全粒粉、いも類など
糖質の中でも液体は最悪。人間本来の消化・吸収のシステムを全く無視しているため。
糖質を食べるなら自然の形に近いもの、噛み応えのあるものを少量食べるに留めるべき。

P120
血糖値を測定する画期的な器具
FreeStyle リブレ
リブレは「センサー」と「リーダー」の2部品からなる。
センサーは使い捨てのパッチで、直径が35ミリの丸型。これを上腕部に貼っておく。
耐水性があるためお風呂に入ってもOK。最長14日間の装着が可能。
このセンサーにスマホのような形をしたリーダーを近づけると、その時のグルコース値がすぐに読み取れる仕組みになっている。また、リーダーを近づけなくても、センサーが自動的に15分ごとに血糖値を記録し、90日分のデータをリーダーに保存してくれる。
そのため、食事の時間と内容だけ覚えておけば、後からデータを見て「何を食べるといつ頃にどのくらい血糖値が上がるか」がはっきりわかる。

P123
血糖値は70から140の間にあるのが理想。
リブレを用いた減量法
①2週間リブレで血糖値を測り続ける。
②血糖値が140を超える食べ物をやめる。
③血糖値を70~140の範囲内に保つようにする。
④これを実行すると毎日100~200グラム体重が減る。
⑤目標体重に達したら、糖質制限をやめる。
この方法で月2kgの減量が可能となる。

P125
食べる順番も大切。
人間に備わっている消化・吸収のシステムを考えるなら、まず繊維質の豊富な野菜、続いて消化に時間のかかるたんぱく質、最後に糖質を食べることによって血糖値の上昇を緩やかに抑えられる。

P126
1日に食べる分量が決まっているとしたら、それを出来るだけ多数回に分けて食べた方が、血糖値も大きく上がらず、インスリンもあまり出ないので太らない。
最近食事の回数を減らす人が増えてきているが、「1日3食から2食に減らしたらやせた」という人がいるなら、それは1日に食べる総量が減ったから。
その人が2回で食べている総量を3回以上に分けることが出来れば、さらにやせるはず。
やせるだけではなく、血糖値が安定することで1日のパフォーマンスも向上する。
「朝食を抜いたら体調が良くなった」という人は、そもそも夜遅くにたくさん食べている。
前日のものが消化されずに残っているような状況で、無理に朝食を食べたら気分が悪くなるのも当然。

海藻やきのこ類は健康に欠かせないビタミンやミネラルが豊富な一方で、ほとんど糖質が含まれていない。
めかぶ、もずく、まいたけ、マッシュルームは糖質ゼロ。
わかめ、こんぶ、しいたけ、なめこも限りなくゼロに近い数字。
毛髪や肌いい効果、キノコ類は免疫力アップにもつながる。
海藻やきのこ類は食物繊維がたっぷり。さらに腸内細菌のバランスも整えてくれる。

P131
たんぱく質のおすすめは大豆食品。
大豆に限らず、豆類は総じて優れた植物性たんぱく質。

P133
水をたくさん飲むと、それによって単純に血中の糖の濃度が薄まり、血糖値が下がる。
糖尿病の患者がすぐに喉が渇くのも、上がった血糖値を下げようとする体の自然な欲求。
なお、便秘症のひとは硬水がおすすめ(コントレックス、ヴィッテルなど)。

P136
糖質を単独で摂るよりも、脂質と一緒に取った方が太らない。特にオリーブオイルは効果絶大。

P137~
ワインやジン(ウイスキーや焼酎といった蒸留酒は同様と考えてよい)はかえって太りにくくなる。
ワインは特に白がやせる。赤ワインはポリフェノールといった抗酸化物質が多く含まれる一方、白は酒石酸が豊富だからではないかと思われる。
なお、白ワインには糖質の多い甘いタイプもあるため、辛口を選ぶ必要あり。

P140
シナモンに含まれるプロアントシアニジンという成分に、血糖値降下作用がある。他にもシナモンには抗酸化作用、殺菌作用、血行促進作用があることが分かっている。

P145
都合のよい「部分やせ」は医学的にはありえない。逆に「部分太り」も起きない。
お腹ばかりが膨らむと嘆く人は、内臓周りに脂肪が付きやすくなっているだけで、やせればそこから脂肪も落ちていくため、結果的にお腹はへこんでいく。

P146
朝昼夜の配分は「3:5:2」くらいが理想。
夜は一切糖質を摂らないくらいの気持ちで、糖質摂取量の配分を「5:5:0」くらいに意識する。

第3章
P148~
確かに脳はブドウ糖がなければ働かないが、放っておくと中毒になるほど糖質を食べたがる。
余った ブドウ糖は尿や便に排出されることなく100%吸収されて、グリコーゲンや中性脂肪として蓄えられるのは、いざという時に ブドウ糖に戻して命をつなぐため。
しかも、 ブドウ糖が不足すると脂肪がエネルギー源として使われ、その時にケトン体が出来る。
脳はこのケトン体も利用できるため、 ブドウ糖だけが脳のエネルギー源ではない。
つまり、いざという時にならない限り、 ブドウ糖不足に陥ることはなく、むしろ余らせているのが実情。

P162
ヨーグルトの優れた点は、腸内細菌を整えてくれること。
一度に大量に食べるのではなく、毎日少しずつを習慣にした方がよい。具体的には1日100g前後。
市販のヨーグルトは商品によって使われている菌が違うため、人によって相性がある。
色々なヨーグルトを2週間ずつくらい試して、しっくりくるものを続けるのがよい。

P171
血糖値の上昇を抑えるためには、「食後すぐ」に運動することが重要。
20分前後のウォーキングや階段の上り下りなど。

P175~
夕食は寝る4時間前くらい前に終えるのが理想。
口でかみ砕かれ、消化酵素と混ぜ合わされた食べ物は、胃に送られる。
PH1.5という強酸性の胃液が、1回の食事で500ccほど出て、ご飯などの糖質は2時間以上、肉や魚は3時間以上の時間をかけて少しづつどろどろに消化される。
その後、十二指腸でアルカリ性の膵液と混ぜ合わされて中和され、小腸で吸収されるまでに4時間以上かかる。
<胃での消化時間の目安>
ごはん:2~3時間
肉(たんぱく質):4~5時間
肉の脂(脂肪):7~8時間

P179
塩分の過剰摂取は、血圧を上げ腎臓を弱らせる。
薄味に慣れてくると、舌が食材本来の味をキャッチ出来るようになる。

P180
人種的に見ると、白人や黒人は100%、アルコールを分解するADLH(アルデヒド脱水素酵素)を持っている。
ところが日本人は、全く無い人が4%、持っているが少ししかない人が40%の割合で存在する。
しかしお酒(種類による)を飲んだ方が血糖値が上がらず太らないというエビデンスがあるため、飲める人は大いに、弱い人はそこそこにお酒を楽しめばよい。
お酒を飲むときは一緒に水を摂ると、それだけ血中アルコール濃度が下がるためおすすめ。

P182
夜中の低血糖発作は、大抵が就寝前に糖質を多く摂っていることが原因。

P184
睡眠中は想像以上に汗をかき血液が濃くなりがちなため、就寝前にはコップ1杯の水を飲む。
また、ローズマリー、カモミール、ラベンダー、ペパーミントは鎮静効果があり不眠に効くと言われているため、夕食後にハーブティーを飲むのが最適。老化の原因であるAGEを抑える効果もある。

第4章
P186~
ブドウ糖と酸素が結びつくことで、水と二酸化炭素とエネルギーが産生されるが、この過程で、 ブドウ糖が原因の「糖化」、酸素が原因の「酸化」が起こる。

酸化は一口に言うと体が「錆びる」イメージ。一方で糖化は体が「焦げる」イメージ。
たんぱく質や脂質が ブドウ糖と結びつくと、AGE(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)が産生される。
私たちの体は、水分以外はほとんどたんばく質か脂質。AGEはたんぱく質や脂質を変性させる。
例えば、皮膚のコラーゲンが変性してシワやシミを作り、血管のたんぱく質を変性させれば固く切れやすくなる(動脈硬化)。
また、AGEが発生したことをキャッチしてマクロファージなどのAGE受容体が生じることで細胞に炎症を起こす。
AGEは体内で作られる一方、食品にも含まれる。
特にこんがりと焼け焦げた部分に多く含まれる。
ちなみに、糖尿病の検査で調べられる「ヘモグロビンA1c」はAGEの初期反応物質である。 ブドウ糖がたんぱく質や脂質と結合した残物を測定することで、過去1~2か月にどのくらいの血糖値だったかがわかる。
AGEは2本のコラーゲン線維の間に出来るため、非生理的架橋と表現される。これが出来ると強さが損なわれ、弾力性が低下して切れやすくなる。

P191~
糖尿病患者は総じてAGEが高く、炎症を起こして血管壁が劣化する。
また、老廃物をろ過する腎臓の幕にAGEがくっつくことで穴を空けてしまい、尿にアルブミンというたんぱく質が漏れ出て、ついには思い糖尿病腎症を引き起こす。

アルツハイマー病患者の脳には老人斑と呼ばれるしみがあり、そこに沢山のAGEが溜まっていることも分かっている。
パーキンソン病患者の中脳に出来るレビー小体にもAGEが多く存在する。

P193
AGEを増やさないために
・糖質の過剰摂取を避ける
・AGEが多い食べ物を避ける
食品からとったAGEのうち10%程度が体内に取り込まれ、6~7%が長期間にわたって留まると言われている。

P196
AGEは高温で調理することで大きく増える。
同じフライドポテトでも自宅で挙げたものよりファストフード店で売られているものの方がAGE含有量は高くなる。これはファーストフード店の方がより高温で調理するためと考えられる。

酢には血糖値の上昇を抑えるのに加えて、食品中のAGEを下げる効果もある。
例えば魚を油で揚げるとかなりAGEが高くなるが、それをマリネにして南蛮漬けにすると、酢の力でAGEが減る。
また、生の状態の肉を単純にグリルするとAGE量は約5倍に増えるが、グリルする前に酢に漬けると(マリネすると)、AGE量は1/2以下に抑えることが出来る。
酢の代わりにレモン汁を用いても同様の結果が出る。

P198
LDL(悪玉)コレステロールの中でも、
AGE化(糖化)コレステロールと酸化LDLが問題。
こうした変性したLDLコレステロールが血管壁に溜まることが動脈硬化を推し進め、体内の細胞に慢性的な炎症を起こす。
だから、卵などのコレステロールの多い食品に気を付けるよりも、糖化、酸化という老化作用にストップをかけることこそ重要。

P200
私たちの体内にあるたんぱく質の70%はコラーゲンである。
コラーゲンは3本の糸のような線維からなり、それらが伸び縮みすることで弾力を保っている。
ところがAGEがくっつくことで自由な動きが出来なくなり、弾力が失われる。するとそこに「しわ」が出来、AGEが溜まった所は茶色のシミとなる。これが肌の老化現象。
また、吹き出物やニキビに悩まされるのも糖質の過剰摂取が原因。
チョコレートをたくさん食べて吹き出物やニキビが出来るのも、過剰なブドウ糖が中性脂肪に換えられたものが皮膚にたまっているというのが正解。

P202
AGEを溜め込む原因
①高血糖
糖質の過剰摂取で血糖値が上がれば、それだけブドウ糖も溢れ、たんぱく質や脂質と結合してたくさんのAGEが作られる。
②AGEの多い食べ物
③紫外線
紫外線がシワやシミの原因になるのは、AGEが強力に増すため。
④たばこ
たばこを吸うと、30分くらいで体内にAGEが増えてくる。

P204
うなぎ、鶏肉、マグロなどの肝臓や筋肉に多く含まれる「カルノシン」という物質は、極めて強い抗酸化力を持っており、AGEも強力に抑えられることが分かっている。
渡り鳥が長い距離を飛んで来られるのも、回遊魚がずっと泳ぎ続けられるのも、カルノシンを豊富に持っているからと考えられる。

P205
ビタミンB1とB6の中に、強い抗AGE力があることが分かっている。
ビタミンB1は欠乏すると足のだるさや倦怠感に襲われる。豚肉、うなぎ、玄米、そば、大豆、レバー、鶏肉などに多く含まれる。
ビタミンB6は腸内細菌の合成によって作られるので不足することは少ないと言われているが、抗生物質の使用などで腸内環境が悪くなれば足らなくなる。欠乏すると舌炎、口内炎、口角炎などが現れる。口内炎の薬の主な成分はビタミンB6である。
様々な食品に多く含有されているが、特にカツオ、マグロ、サーモン、ナッツ類、肉類全般、野菜、バナナ、にんにくなどに多く含まれる。
ビタミンB群は水溶性のため、過剰に摂った分は尿に流れ出る。

P207:ポリフェノール
赤ワインにはアントシアニンが豊富で、その抗酸化作用はフレンチパラドックス(フランス人は飽和脂肪酸の摂取量が多く喫煙率も高いのに心疾患が少ない現象)の根拠とされている。アントシアニンはブルーベリーにも多く含まれる。
大豆のイソフラボンは、豆乳や納豆、豆乳からも摂取出来る。
コーヒーや紅茶のタンニン、緑茶のカテキンも抗酸化作用が強い。
たまねぎ、柑橘類、そばにはルチンが、チョコレートにはカカオポリフェノールが豊富。
チョコレートには赤ワインより10倍多いポリフェノールを含んでいる。

P210
多くのスパイスは抗AGE作用及び抗酸化作用を持っている。

P211
口から入ったコラーゲンは消化されてすべてアミノ酸に分解されてから吸収される。
脂肪を食べたからお腹の脂肪が増えるわけではないのと同様で、コラーゲンを食べたから体内のコラーゲンが増えるということは無い。
私たちの体内にあるコラーゲンは、全て体内で合成されたものである。そのため、その合成の段階で必要な成分を揃えてあげることが大事。

【第5章】
P214
がんは免疫力の低下によって引き起こされる病気の典型。
小野薬品工業が開発し大きな注目を浴びている「オプシーボ」は、従来の抗がん剤と違い免疫力を高めることでがんを治癒させようという薬。
がんに限らずあらゆる病気は免疫力の低下により引き起こされる。
またリウマチやぜんそく、花粉症やアトピーなどは、悪くない細胞を間違って攻撃してしまい抗体が出来ること (自己免疫疾患) により発症する。

P220
満腹でいるより飢餓状態(30%のカロリー制限)に近い方が長寿遺伝子が活性化されて長生きする。

P221
噛んで食べるという行為により脳から様々な指令が出され、胃や膵臓など消化・吸収に関係する全ての臓器が準備を進める。また脳の満腹中枢を刺激する。

P223
スーパーで売られているカット野菜には、次亜硫酸塩が使われている。この殺菌剤は回転寿司店でも重宝されている。
ピスタチオによく使用される防かび剤OPP(オルトフェニルフェノール)には発がん性があることが分かっている。
添加物の中でも最もたちが悪いのは発色剤で、ハムやソーセージなどの加工肉に多く使用される亜硝酸塩は、WHOが明確に発がん性を指摘している。

P226
糖質制限食を行っていると、特に男性に便秘気味になる人がいるが、それはお米に含まれる食物繊維が減るため。
そのため野菜(葉物野菜)を意識的に摂るべき。ビタミンやミネラルも豊富。
出来る限り無農薬の野菜を選ぶべきだが、どうしても手に入らなければよく洗うこと。

P228
2015年にネイチャー誌に掲載された実験結果によると、アスパルテーム、スクラロース、サッカリンの3種類の人工甘味料を溶かした水をマウスに与えたところ、普通の砂糖を溶かした水を与えたマウスより血糖値が上昇した。
また、人工甘味料を与えたマウスと普通の砂糖を与えたマウスのそれぞれから腸内細菌をとり、腸内を無菌状態にしたマウスに移植すると、人工甘味料を与えたマウスから腸内細菌を移植された方が、血糖値が高くなった。
さらに人間でも人工甘味料を使っていると腸内細菌に変化が生まれることも分かった。
健康な人が人工甘味料を摂り続けていると腸内細菌のバランスが崩れ、糖耐能(インスリンがブドウ糖を処理する能力)が低下して糖尿病になるという論文も発表されている。
腸粘膜のひだに小さな穴が空く「リーキーガットシンドローム」は中でも深刻。リーキーガットシンドロームに陥ると、栄養素のみならず本来取り込むべきでない毒素も取り込んでしまう。
なお、人工甘味料以外にも「果糖ブドウ糖液糖」「果糖液糖」「異性化糖」などと表記された甘味料にも注意が必要。

P230
たんぱく質の過剰摂取は血肉を作る非常に重要な栄養素だが、糖質や脂質と違って分解の過程で尿素窒素などの毒素を出す。
パウダー状のプロテインやアミノ酸など人工的に作られたものは、たんぱく質の過剰摂取となり、濾過機能が酷使され腎臓が弱る可能性が高い。
会社で行う普通の健康診断では血清クレアチニン値しか測定されないが、「血清クレアチニン値」に異常が見られるときには腎臓は相当ひどいことになっている。「尿アルブミン値」の変化を掴み適切な手を打つことが必須。

P232
腸内細菌の環境は食べているものに左右される。
腸内細菌が好んでエサにするのは水溶性の食物繊維。こんぶ、わかめなどの海藻やこんにゃく、寒天に多く含まれる。
一方で、野菜に多い不溶性の食物繊維も必要。便の量を増やし、老廃物を排出するために重要な役割を担っている。

P234
ビル・ゲイツが運営しているビル&メリンダ財団の資金提供により世界188か国で行われた調査で、「死をもたらす修正可能な危険因子」は、世界でも日本に絞ってもトップは高血圧。
高血圧は遺伝的体質も影響するが、最大の原因は肥満。体重が1kg増えるごとに血圧は5mmHgずつ上がっていくと言われている。まず体重を落とし、その上で塩分摂取量を減らすことが重要。塩分の過剰摂取は胃がんの発生率を高めることも明らか。
体内から塩分を排出してくれる食品を食べることも効果的。細胞内にある体液と細胞外にある体液は一定の浸透圧で一定の濃度を保っている。その仕組みを利用し、カリウムをとることで細胞内のナトリウムを排出することが出来る。またカリウムは利尿作用があり、むくみを取る働きがある。カリウムは野菜や果物に多く含まれている。

P238
脂質は変性が怖く、酸化した油は毒性の強い物質になる。
中東などを旅行して「油に当たる」症状も、古い揚げ物を食べていがムカムカするのも油の酸化が原因。
酸化した油は長期的には細胞1個1個を覆う細胞膜をも変質させる。

P240
マーガリン・ショートニングに多く含まれるトランス脂肪酸は心疾患を増やすことがはっきりわかっている。
ココナッツオイルは発がん性が疑われている(まだ証明はされていない)。
オリーブオイルについてはほぼ100%健康に良い油として積極的に摂取して良いと判断している。摂取量の目安は大さじ1~2杯。
但し高温度の加熱処理をしていない、製造日からあまり日数が経っていない、開封したら早めに使い切ることが条件。
「過酸化脂質」は体内でも作られるが、特に油で調理して時間が経過した食べ物に大量に含まれる。
青魚に含まれるDHA・EPAは酸化しやすいのが欠点で、アジの干物なども過酸化脂質が多く含まれる。どんな油でも変性に注意が必要。

P244
AGEの1つである「アクリルアミド」は発がん性が高く、120℃くらいの高温で加熱した炭水化物に大量に含まれる。

P246
長寿者に肉好きが多いのは事実だが、赤身肉のステーキを好んで食べている事、特に自然に放牧されたものを選んでいることが共通している。
脂肪の多い肉を多食すればコレステロールを上げるだけでなく大腸がんの引き金にもなる。肉自体でなく動物性脂肪もがんの元となる。

P248
魚の焦げた部分には発がん性があることが比較的以前から言われていたが、肉も焦げれば「ヘテロサイクリックアミン」という発がん性物質が出来ることが分かっている。焦げた部分には発がん性物質だけでなくAGEも多い。

【第6章】
P254
「ブルーゾーン」(ディスカバー・トゥエンティワン刊)
100歳を超えるような長寿者が多い地域
・イタリアのサルデーニャ島中部
・日本の沖縄北部
・アメリカのカリフォルニア州ロマリンダ
・コスタリカのニコジャ半島
なお、アメリカ文化の侵入を「コカ・コロナイゼーション」と言うが、それによって食事を変えれば人間の健康状態は大きな影響を受ける。

P256~
生活上の共通点
①豆類をたくさん食べる。
②野菜はたっぷり多種類食べる
③坂道を歩く
坂道の上り下りは適度な有酸素運動となり心肺能力が鍛えられる。
健康長寿の地域の人々はよく働くが、あえて激しい運動はしない。激しい運動をすれば呼吸数が増加するため活性酸素が多く発生し、老化が進む。
走るとコンクリートの道に靴底が当たる時に、足裏の毛細血管を循環している血液中の赤血球が潰れてしまうことも分かっている。マラソン選手に貧血が多いのはそのためだと思われる。
④死ぬまで働く。
重労働をしている地域の方が長寿である。
⑤生きがいを持つ。
身体も脳も酷使した方がよい。生きがいが感じられるかどうかは、健康状態や友人の有無などが大きく影響する。貢献して「自分は仲間に必要とされている」と感じることが大事。
⑥徹底的な健康チェック
・胃と腸は内視鏡で直接見てもらう
・胸部と腹部のCT検査を受ける。
・脳のMRI検査を受ける。
⑦食べ過ぎない
腹ぺこ→ドカ食いを避けるために、
・同じ量を食べるなら、1日の食事回数を増やす。
・ゆっくり食べることで満腹中枢に早く信号を送る。
・よく噛む必要のあるものを食べる。
⑧アルコールをたしなむ
⑨チョコレートを食べる
⑩医者を選ぶ。
腕のいい医者は大きな病院にいるとは限らない。

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医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社; 1版 (2017/9/21)
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