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日本人のための科学的に正しい食事術(※P104まで更新※)

日本人のための科学的に正しい食事術
西沢 邦浩 (著)
三笠書房 (2018/8/16)

※あくまで自分の目に留まった点をPickupしたものであり、書籍の内容を網羅している訳では無い旨、ご了承下さい。詳細をお知りになりたい場合は書籍をご参照下さい。


<序章>

P20
本書のキーワードは「血糖値」「腸」「空腹感」。

P21
日本人は、血糖値上昇を抑えるホルモン「インスリン」の分泌力が、白人や黒人に比べて弱い。

P23
日本人の腸には、他の民族と比べて、難消化性の炭水化物をエサにする腸内細菌が多い。(詳細はP77)

不溶性食物繊維には便のかさを増やし、腸の動きをよくする働きがある。
さらに最近の研究で、腸表面の細胞に刺激を与えて、腸壁を守る粘膜成分「ムチン」を作り出すことがわかってきた。(詳細はP101)

P23~
空腹は体のメンテナンス機能を稼働させるスイッチのようなもの。体が排泄モードになり、腸は蠕動運動を開始して便を押し出そうとする。
さらに「サーチュイン・ファミリー」という長寿遺伝子が活性化したり、「オートファジー」(自食作用)が稼働する。

P24
深夜は体脂肪をためやすくするBMAL1(ビーマルワン)という時計遺伝子の発現量が増え、血糖値を上げるグルカゴンというホルモンの分泌量も増える。

<第1章>

P30~
日本人を含む東アジア人は、体質的に血糖上昇を抑えるホルモン「インスリン」の分泌力が他の人種に比べて低く、また腸のまわりに付着して、糖尿病発症リスクを高める内臓脂肪の蓄積が進みやすい体質を持つ。つまり日本人は、一見やせているように見えても、実は内臓脂肪蓄積型の隠れ肥満になりやすい。

P39
乳酸菌やビフィスズ菌、そして腸を介して全身の健康維持に寄与する「酪酸」「酢酸」「プロビオン酸」などの短鎖脂肪酸を作る腸内細菌が有用菌とされるが、これらは水溶性食物繊維、多糖類(オリゴ糖など)、難消化性でんぷんなどをエサとする。
そのため、これらを含む炭水化物全般を抜く極端な糖質制限をすると、腸内有用菌のエサが枯渇するリスクが生じる。

P40~
動物性脂肪(獣肉由来の脂肪)やたんぱく質が大量に腸に流れ込むと、どちらも腸に対するダメージになる。

脂肪が過剰になると、これを吸収しやすくする物質「胆汁酸」が大量に腸の中に出てくる。
胆汁酸は通常は小腸で再吸収されるが、量が多いと吸収されなかった胆汁酸が大腸に流れ込み、これをエサにする腸内細菌が作る「二次胆汁酸」という物質の量が増えてしまう。二次胆汁酸は大腸や肝臓でのがんのリスクを高めると考えられる。

同じ脂肪でも、魚油や植物性脂肪ではこうしたリスクは高まりにくく、飽和脂肪酸が多い肉の脂肪でダメージが出るとする研究が多い。

タンパク質が過剰となると、これをエサにする菌たちが「アンモニア」「インドール」「スカトール」といった腸の防御力を低下させる物質を発生させる。
また、赤身肉などに含まれる成分をエサにする腸内細菌が「TMAO(トリメチルアミン-N-オキシド)」という物質を作り、それの血中濃度が高くなると動脈硬化を進行させる。

P41
「高脂肪食が腸の上皮細胞に炎症を起こし、インスリンの効きを悪くする」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27508875

P50
サルの研究で、カロリー制限食には、加齢に伴う病気のリスク低下や、健康寿命を延ばす効果がある。
ウィスコンシン大学と米国立老化研究所(NIA)が共同で論文を発表した。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28094793

P54
血糖値が急上昇する食事をとると、それを下げるために大量のインスリンが放出されるため、今度は血糖値が急激に低下する。血糖値の低下は糖という重要なエネルギーが枯渇し始めているサインでもあるので、脳が空腹を感じる。
つまり、血糖値が急上昇する食事はお腹が減りやすい食事でもある。

P55~
水溶性食物繊維が腸内細菌のエサとなることで作られる酪酸、酢酸、プロビオン酸といった「短鎖脂肪酸」は腸管の細胞に作用して、血糖値の急上昇を抑えるホルモンや、脳に働いて過食を防ぐホルモンの分泌を促す。また、感染防御に働く免疫物質の生成を促し、全身の免疫力の維持に関わる働きまである。
食物繊維が多い食事を意識して摂ることにより、「血糖値を急上昇させず」、「腸内環境を整え」、「自然に空腹になって腹八分目に導いてくれる」という食事の基本要件をある程度クリア出来る。

P57
不溶性食物繊維:便のかさを増してスムーズな排便に導いたり、腸管に刺激を与えて粘膜成分の分泌を促したりする。
水溶性食物繊維:食事の吸収をゆっくりにして血糖値の上昇を抑え、さらに有用菌のエサになって働く。
厳密には食物繊維に分類されないケースもあるが、「難消化性オリゴ糖」「 難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」といった消化吸収されにくく有用菌のエサになる炭水化物もある。

P59~(不溶性食物繊維)
大雑把に言うと、筋張って噛み応えがある植物性食品に不溶性食物繊維が多い。
「セルロース」 「ヘミセルロース」 は野菜、豆類、未精製の穀物、果物などに多く含まれている。「リグニン」はココアや一部の豆など、「キチン」はカニやエビの甲羅やキノコなどに含まれる。

P60(水溶性食物繊維)
「β-グルカン」は大麦やオート麦、「アルギン酸」は昆布やワカメといった海藻、「ペクチン」は果物、「イヌリン」はゴボウやチコリの根、「グアーガム」はグアー豆に含まれる。

P60
「 難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」 は穀物や豆類をいったん加熱した後冷ますと増える成分。「オリゴ糖」はタマネギや大豆などに多い。

P65~
東北大学発の研究では、1975年ごろの家庭の食事が最も健康的であるという結果が出ている。
この食事の特長の1つとしては、大豆製品や魚介類といった日本ならではの食品摂取が挙げられている。また、味噌、醤油、日本酒といった麹カビ(麹菌)を用いた発酵食品の摂取量が他の年代の食事に比べて多かった。

P66
マウス試験では、日本酒200ml相当の「麹由来ペプチド」の摂取により腸内で有用菌が増え、腸内環境も改善する可能性が示唆されている。

P77~
日本人の腸は、他の国々の人たちよりも炭水化物を求めているらしい。
日本人の腸内細菌叢を他の11か国の人々の平均的な腸内細菌データと比較した研究によると、日本人の腸には炭水化物を分解する菌が他の国民より圧倒的に多いことが分かった。
一番多いのは「ブラウティア」という菌だが、「ビフィズス菌」も多いらしい。これらの金は炭水化物を代謝し、有用物質である短鎖脂肪酸などをつくる。
(PMID:26951067) DNA Res. 2016 Apr;23(2):125-33.

<第2章>

P80~
MACs(Microbiota-accessible carbohydrates):腸内の有用菌がエサにすることが出来る炭水化物。
「腸内細菌の世界では敗者復活戦は狭き門」
マウス試験によると、マック含有量が少ないエサを食べさせると腸内細菌叢の多様性が失われるばかりか、このマウスから生まれた子供や孫は最初から多様性が低下した菌叢になっていた。
さらに、多様性が低い菌叢で生まれた子供を高マック食で育てても、菌の多様性がほどんど回復しなかった。
腸内細菌叢はより多くの種類細菌で構成されているほうが対応力が高く、病気などにも強いと考えられている。
マックが十分に提供されないと、腸内細菌たちは糖質を多く含む腸壁の粘膜層(ムチン)をエサにし始める。

P84~ 酪酸が腸内環境を整え、悪玉菌を減らす仕組み
①腸内細菌が作った酪酸が、大腸表面の細胞(上皮細胞)に信号を送り、酸素消費量を増加させる。
②大腸内の酸素量が減る。
③サルモネラ菌や大腸菌といった、炎症性腸疾患を引き起こす酸素好きな菌たちが生きにくくなる。
④一方、ビフィズス菌など大腸でマックをエサにして生きている有用菌たちは酸素嫌いなので、ますます元気になる。

P88~
大麦は細胞壁が食物繊維で構成されており、ここに抗酸化物質(フェルラ酸)も含有される極めて特殊な穀物である。そのため、精製しても全粒穀物が持つ性格が大きく減じない。

P90~
野菜よりも穀物から多く食物繊維を取った方が糖尿病リスクが低い。
全粒穀物は、食物繊維がでんぷんを包み込むように覆う「複合炭水化物」の構造をおとっており、でんぷんの消化吸収をゆっくりにするのと同時に、食物繊維と絡み合ったでんぷんが完全に消化されずに腸まで運ばれ、有用菌のエサになる。

P97~
大麦を食べると、これに含まれるβ-グルカン等の食物繊維が大腸に到達し、それを腸内細菌が食べて発酵して短鎖脂肪酸を作る。そしてこの短鎖脂肪酸が腸の細胞を刺激して、血糖値の急上昇を抑えるホルモン(GLP-1)を出す。
朝大麦を食べれば、昼食や夕食時にもGLP-1が出ている可能性がある。

P100~
大麦以外の穀物は基本的に、水溶性より不溶性食物繊維を多く含む。
不溶性食物繊維の代表的な機能↓
・水分を含んで膨らみ、便のカサを増やし、排出しやすくする。
・腸壁を守る粘液(ムチン)をつくりだす。
小麦ブランは特にムチン分泌作用が強い。

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